NPO法人 大分に科学を広める会
平和な国を目指す日本では、目覚ましい科学技術の発展により、生活環境がより快適に、より便利に、そして、より豊かになってきた。その一方で、近年、青少年の「科学・理科離れ」が叫ばれているなか、教育現場や日常の場において科学現象への好奇心を喚起する機会が減少していることは否めない。
私たちはそのような現実への反省と懸念から、これまで、「青少年ための科学の祭典大分大会」という活動を通して、青少年が科学と直接触れ合うことによる興味の喚起に努めてきた。そのため、毎年、大分県内各地の公共施設を会場に、現役教員や教員経験者を始め一般市民の協力によって開催してきた。今後もその活動をより明確な趣旨のもとで行うことにより、さらに発展・充実させ、「科学実験やものつくり」を実体験する催しを大分県内各地で行うことを目的として、「大分に科学を広める会」を設立する。
「科学・理科離れ」の原因は様々あるが、自然環境の減少や外遊びの機会の減少などから、青少年が自然に触れ合う体験がないまま、バーチャルな遊びが主になっている現実がある。私たちは、この活動により、彼らが創造力豊かで、現実社会に根を降ろした問題解決能力を備えた人になってくれることを望むものである。
また、日本各地では様々な形の科学館が設置・運営され、多くの子供たちが教育の場や日常的な遊びの場として利用しているが、大分県にはいまだ科学館と呼べるものがない。私たちはこの活動を通して、科学館の意義を広めその設立を希求していきたい。科学館設立は、青少年のためばかりではなく、大分県民の歴史的文化財や科学的財産の保存と諸技術の継承のためにも大きな役割を果たしていくものと考える。そのために、本会では、啓発と関心を高め、科学技術の普及活動や指導者の育成なども行う。
平成 28年 6月 20日
特定非営利活動法人 大分に科学を広める会
代表理事 工 藤 康 紀